結論:安さだけで比較しない。契約の長さと金額で法的保護の有無が変わる
個人の英語コーチはパッケージで3万円〜7万円程度が中心で、プログリット・トライズ・RIZAP ENGLISHなど大手スクールの数十万円とは1桁以上の差があります。ただし差は料金だけではありません。契約期間が2ヶ月を超えて契約金額が5万円を超える場合、特定商取引法の「特定継続的役務提供」という規制の対象になり、クーリングオフや中途解約時の損害賠償額の上限が法律で保護されます。大手スクールの数ヶ月契約はこの基準に当たりやすい一方、個人コーチの短期・少額パッケージは対象外になりやすいという違いがあります。
料金の比較:個人コーチの掲載例と大手スクールの公式価格
個人コーチに一次情報となる公式の料金表はないため、スキルシェアサービスの掲載価格を「掲載例」として扱います。以下はココナラで「英語コーチング」を検索した結果(2026年10月16日取得・検索結果932件中、表示された1〜60件分)です。
| 区分 | 価格帯の例 |
|---|---|
| 単発30分 | 1,000円〜3,000円 |
| 単発60分 | 1,500円〜5,000円が中心(上は8,000〜80,000円) |
| パッケージ3〜5回 | 3,000円〜45,000円 |
| パッケージ7〜8回(1〜2ヶ月) | 38,000円〜70,000円 |
大手スクールの公式料金(税込)は次のとおりです。
| スクール | コース | 総額 |
|---|---|---|
| プログリット | ビジネス英会話コース・2ヶ月 | 457,600円(入会金込み) |
| トライズ | スキルアップコース・3ヶ月 | 552,332円 |
| RIZAP ENGLISH | 英会話コース・16回 | 437,800円+入会金55,000円 |
大手3社の料金・コース別の詳しい比較は英語コーチング3ヶ月の料金相場にまとめています。低予算で続けたい場合の現実的な構成(アプリ+オンライン英会話)は月1万円台の英語コーチングの選び方を先に確認してください。本記事は「個人コーチという選択肢そのものをどう評価するか」に絞ります。
なぜここまで価格差が出るのか:契約形態と保証範囲の違い
大手スクールの料金には、専属コンサルタントの人件費のほかに、教材開発・カリキュラム設計・返金保証や点数保証の運用コスト、校舎や法人としての事業継続性が含まれています。個人コーチの料金は、多くの場合コーチ本人のセッション時間だけの対価です。学習計画の設計や教材の体系化、保証制度の運用は含まれていないことが一般的で、サービスの範囲そのものが違います。安さの理由を「人件費を削った分」ではなく「含まれているものが違う」と理解したうえで比較する必要があります。
法的保護の違い:特定継続的役務提供の対象になるかどうか
消費者庁の制度説明(2026年10月16日確認)によると、語学教室を含む特定継続的役務提供の対象基準は次のとおりです。
- 対象となる契約:契約期間が2ヶ月を超え、入会金・受講料・教材費などの合計金額が5万円を超える場合
- クーリングオフ:法律で定められた書面を受け取った日から8日間。期間内なら無条件で契約を解除できる
- 中途解約時の損害賠償額の上限:役務提供開始前は15,000円。開始後は、提供済みの役務の対価に加えて「5万円」または「契約残額の20%」のいずれか低い額
大手スクールの2〜3ヶ月・数十万円の契約はこの基準に該当するため、クーリングオフと解約金の上限が法律で保証されます。実際の返金保証・解約条件は各社が公式に定めるルールで、プログリットの解約・返金条件のように会社ごとに手続きが異なります。個人コーチの単発や数万円程度のパッケージは、2ヶ月・5万円のいずれかの基準を下回れば対象外になりやすく、クーリングオフや解約金上限の法的な保証がない契約になる可能性があります。一方で、個人コーチでも2ヶ月を超えて5万円を超えるパッケージを組んだ場合は対象になり得るため、金額と期間の組み合わせで都度判断する必要があります。
返金保証・給付金の有無も確認する
大手スクールは、公式サイトに返金保証や教育訓練給付制度の対象コースを明記しています。プログリットとトライズは開始後30日以内の全額返金制度、RIZAP ENGLISHも30日間の全額返金制度を公式に案内しています(来店・書面での手続きが必要など条件は各社で異なります)。個人コーチの場合、こうした保証制度の有無はコーチ本人との個別契約によるため、サービスページに明記がなければ申込前に本人へ確認する以外に確認手段がありません。返金保証の横断比較は英語コーチングの返金保証比較で扱っています。
期限から逆算した選び方
- 転職・昇進の期限が決まっていて、失敗したときのやり直す時間がない人:返金保証と給付金制度が公式に明記されている大手スクールを選ぶ方が、契約時点でのリスクを抑えられます
- 期限に余裕があり、まず低予算で継続できるか試したい人:個人コーチも選択肢になりますが、契約前に「2ヶ月を超えるか」「合計5万円を超えるか」を確認し、超える場合はクーリングオフの書面を必ず受け取ってください
- 月1〜2万円台で会話量を確保したい人:個人コーチより先に、月1万円台の英語コーチングの選び方にあるアプリ+オンライン英会話の構成の方が総額を抑えやすい場合があります
- 数十万円は厳しいが、月数万円で学習管理だけ加えたい人:ビズメイツのコーチング付きプランのような月額制コーチングが、大手の一括払いと個人コーチの中間の価格帯になります
向く人・向かない人
個人コーチが向く人
- 自分で学習計画を立てられて、話す練習の相手だけ必要な人
- 返金保証がなくても、低予算で試して合わなければ別のコーチに切り替えられる人
個人コーチが向かない人
- 契約前に返金条件やコーチの実績を確認する手間を省きたい人
- 転職や昇進の期限が近く、学習計画の設計自体を任せたい人。この場合は大手の専属コンサルタント型が前提に合います
よくある質問
Q. 個人の英語コーチはいくらくらいですか? A. ココナラの検索結果(2026年10月16日取得・932件中の表示分)では、単発60分が1,500円〜5,000円程度、3〜8回のパッケージが3万円〜7万円程度に集まっていました。あくまで掲載価格の例で、相場を保証する公式データではありません。
Q. 個人コーチと大手スクールでは法律上の保護に違いがありますか? A. 契約期間が2ヶ月を超え契約金額の合計が5万円を超える場合は特定継続的役務提供の規制対象になり、8日間のクーリングオフと中途解約時の損害賠償額の上限が法律で定められます(消費者庁、2026年10月16日確認)。大手スクールの数ヶ月・数十万円の契約はこの基準に該当しますが、個人コーチの単発や小規模パッケージは基準を下回り対象外になりやすいです。
Q. 安い個人コーチと高い大手スクール、どちらを選ぶべきですか? A. 転職や昇進などの期限が決まっていて失敗したときのリスクが大きいなら、返金保証や給付金制度がある大手スクールの方が安全です。期限に余裕があり、まず低予算で続けられるか試したいなら個人コーチも選択肢になりますが、契約前に返金条件の有無を本人に確認してください。
まとめ
- 個人コーチの掲載価格はパッケージで3万円〜7万円程度が中心。大手スクールの数十万円と1桁以上の差がある
- 価格差は人件費だけでなく、教材・保証制度・事業継続性など含まれているものの違いから生じる
- 契約が2ヶ月超・5万円超なら特定継続的役務提供の対象になり、8日間のクーリングオフと解約金上限が法律で保証される
- 個人コーチの短期・少額パッケージは法的保護の対象外になりやすく、返金条件は本人への個別確認が必要
- 期限が近く失敗のリスクが大きいなら大手、予算重視で柔らかい目標なら個人コーチという切り分けが妥当
参考(公式情報・2026年10月16日時点)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
- プログリット ビジネス英会話コース:https://www.progrit.co.jp/course/
- トライズ 料金:https://toraiz.jp/price/
- RIZAP ENGLISH プラン:https://www.rizap-english.jp/plan
- ココナラ「英語コーチング」検索結果:https://coconala.com/search?keyword=%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0